成果につながる読書とは?「ビジネス書」×「教養書」の戦略的組み合わせ

本記事のリンクには広告が含まれています。

なぜ私たちは、これだけ本を読んでいるのに成果につなげられないのか?

多くのビジネスパーソンが、このような悩みを抱いているのではないでしょうか。

  • 読書はしているのに、仕事に活かせている実感がほとんどない
  • ビジネス書を何十冊も読んだのに、いざという時に役立たない
  • 情報の断片ばかり増えて、自分らしいアイデアが出てこない

もし心当たりがあるなら、その原因は「何を」「どう読むか」という戦略が欠けているからかもしれません。

著作家で経営コンサルタントの山口周氏の著書読書を仕事につなげる技術では、「ビジネス書」と「教養書」を効果的に組み合わせることで、読書を成果に直結させる方法が紹介されています。

特に注目すべきは「ビジネス書マンダラ」と呼ばれるツール。これを読み解くことで、ただの読書体験が自分の血肉となり、独自のアウトプットに変えることができます。

「読んで終わり」の漫然とした読書から卒業し、仕事に活かせる戦略的な読書を始めたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

『読書を仕事につなげる技術』の情報

  • 著者:山口周
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発売日:2025年6月17日
  • 文庫:256ページ

Source:KADOKAWA

まいたぬき

山口周氏は世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?でも知られる著者。今回ご紹介する本も“思考の武器”を磨く一冊です。

「ビジネス書」×「教養書」=「その人らしい知的成果物」

本書では、ビジネスパーソンが知的生産性を向上させるためには、2種類の読書が必要だと述べられています。

  • ビジネス書:ビジネスパーソンとしての基礎体力づくり
  • 教養書:ビジネスパーソンとしての個性を形成

「ビジネス書」は、ビジネスパーソンの土台となる知識を得るための、いわば「基礎体力づくり」に欠かせない読書です。

しかし、ビジネス書で知識を得るだけでは、他者と差別化を図るのは難しいです。なぜなら、それは多くの人がすでに身につけている「知っていて当たり前の知識」だからです。

そこで求められるのが「教養=リベラルアーツ」です。ビジネス書で得た実用的な知識と、教養書から得られる深い洞察を掛け合わせることで、「その人らしい知的成果物」を生み出すことができます。

つまり、ビジネス書と教養書の読書は、両輪となって初めて、その人らしい知的成果へ貢献するということです。(後略)

山口周『読書を仕事につなげる技術』P.24

ここでの注意点は、ビジネス書と教養書で読み方が異なるということです。

  • ビジネス書
    • 狭く、深く読む
    • 名著を繰り返し読み込む
    • 読書ノートはとらない
  • 教養書
    • 広く、浅く読む
    • 雑多な本を気の向くまま読む
    • 読書ノートをとる

「ビジネス書」の場合は、読む内容が直接ビジネスに関連しているため、すぐに日々の仕事に活かすことができます。そのため、読書ノートに残す必要がなく、繰り返し読み込むことで、名著のエッセンスを自分の血肉にしていきます。

一方、「教養書」はジャンルが多岐にわたるため、「広く浅く」読むことを心掛けるべきです。また、将来的にどのように役立つか分からない場合も多いため、読書ノートにまとめて後から参照できるようにしておきます。

このように、「ビジネス書」と「教養書」の2種類を異なる方法で読むことで、ビジネスパーソンの土台を築くだけでなく、自分の個性を育むための知識やアイデアを得ることができます。

「ビジネス書マンダラ」で厳選された名著71冊

本書において、最も価値のある情報がビジネス書マンダラです。

この図は、著者の山口氏が約80名のコンサルタントに「これは読んでおいてよかった」と感じた本を推薦してもらい、その中から10名以上が共通して推薦した書籍を厳選してまとめたものです。

私はこの「ビジネス書マンダラ」をネット記事で拝見し、「なんだこの貴重な情報は……!」と衝撃を受けました。というのも、世の中にはベストセラーや名著、良書と呼ばれるビジネス書が山のようにあり、一体何から読めばいいのか分からなかったからです。

そんな時に、この「ビジネス書マンダラ」を見つけて、本書を読んでみることにしました。

山口氏は「ビジネス書マンダラ」において、年齢に応じて読むべき本を分けています 具体的には、20代のうちにマンダラのコア(中心)にある「超基本」の6冊を読み、30代になったら2層目の「基本」の書籍、40代からは自分の専門領域に絞って3層目の「応用」の書籍を読むことを推奨しています。

人生のどの時期にどのようなインプットをするかを考えることは、とても大事です。
まず20代であれば、自分が専門とする領域の本は少しずつ深めながら、マンダラのコアにある書籍について目を通しておけばいいと思います。

山口周『読書を仕事につなげる技術』P.74

参考として、「ビジネス書マンダラ」のコアにある「超基本の6冊」をリストアップしました(リンクを押すとAmazonの商品ページに遷移します)。

私もさっそく、Amazonで上のリストの6冊を買い物カゴに入れて注文しました。

古典・名著を読むことに意味がある

山口氏は、本書で古典・原典を読まずに、簡易版の解説書だけを読んでも意味がないと主張しています。

(前略)理由は非常に単純で、古典・原典で著者が展開している思考のプロセスを追体験することで「経営の考え方」「ビジネスを考えるツボ」を皮膚感覚で学び取っていくことにこそ意味があるからです。簡易版の解説書というのは、この思考のプロセスを端折ってフレームワークやキーワードだけを解説しているわけで、そんな知識をいくら覚えても知的体力は向上しません。

山口周『読書を仕事につなげる技術』P.56

たしかに、原典を読んで著者の思考プロセスを追うことは、非常に大切な機会だと思います。しかし、いきなり原典から入ると難解すぎて挫折してしまうこともあります。

そのため、個人的には簡易版(エッセンシャル版や漫画版)から入って、ある程度流れを理解してから原典にあたる、というのも良いと思います。

一度の読書を通じて読者が得られるものはそれほど多くはありません。特に、名著・古典と言われている本であればあるほど、さまざまな角度からの学びがあるものです。こういった本は何度読んでも学びがあるので、ここに挙げたリストを参考にしつつ、「これは!」と思う本が見つかったなら、ことあるごとにそれを読み直すことをお勧めします。

山口周『読書を仕事につなげる技術』P.57

論語にも「学びて時に之を習う亦説ばしからずや(学んだことを、ときどき復習するのは、なんと喜ばしいことだろう)」とあるように、良書は何度読み返しても新しい発見があり、それが読書の醍醐味でもあります。

『読書を仕事につなげる技術』の次に読みたい本

『読書を仕事につなげる技術』では、タイトルが示す通り、「読書」から得た知識や考え方、感性をビジネスに活かす具体的な方法が説明されています。

そして、同じく山口周氏の著書である『知的戦闘力を高める 独学の技法』では、知識を使いこなすための「知的戦闘力」を向上させる方法について紹介されています。

『読書を仕事につなげる技術』には、ビジネスの名著71冊が「ビジネス書マンダラ」として紹介されていましたが、『独学の技法』では、11ジャンル99冊の武器になる教養書がブックガイドとして掲載されています。

ぜひこの2冊をそろえて、ビジネス書と教養書の両輪を回し、自分らしい知的生産にチャレンジしてみてください。

よかったらシェアお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次